社会福祉法人ことの海会
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ことの海会とは

ご挨拶

芦塚 正利 理事長の写真

他者のためだと思って行ったことが、
結果的に自らの「喜び」であることに気づく

当法人は県央の地、大村市及び諫早市に位置しており、目の前には多良山系や雲仙の山々を望み、緑の多い自然豊かな地にあります。しかも、四季折々にこころ和らぐ美しい装いを見せる木々や草花が園舎を囲んでおります。この素晴らしい地に、昭和57年に法人を設立し、翌年4月1日には、授産施設「鈴田の里学園」が開園いたしました。また、昭和62年4月には、諫早の地に更生施設「きぼうの里」を開園できました。この2つの施設の開園は、利用者の方々の生活の場としてまた、自立、更生の場としての始まりでもありました。

初代理事長、芦塚一雄が昭和55年にこの事業を計画した時の思いは、ノーマライゼーションの理念のもとに、一人ひとりの障がい者の方々が人間として、また、一人の個人として尊重され、温かい愛情の中で楽しい生活が営まれるよう、それぞれの特性、能力に応じて、その人らしく、自分らしく生きられるよう自立と自律を図ることを志として設立いたしました。

法人の目的は、「多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が個人の尊厳を保持しつつ、心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を地域社会において営むことができるよう支援すること。」を掲げております。

さて、社会の情勢に目を向けますと平成元年には、世界の動向、日本の動向が激しく、激動の時代に突入し、グローバル化が進み、国内においては、少子高齢化、核家族化、個人、個別化と家庭環境、社会環境の変化が激しく、一人ひとりの価値観の多様化と社会情勢の急速な進展や、社会生活の多様化などにより個人を取り巻く環境は大きく変化しております。平成9年から社会福祉基礎構造改革が検討され、中央社会福祉審議会や障害関係3審議会合同企画分科会の意見具申によって、その理念と方向が示されました。その中で、「個人が尊厳をもって、その人らしい自立した生活が送れるよう支える。」ことが新しい社会福祉の理念として掲げられました。そして

  1. ①個人の自立を基本として、その選択を尊重した制度の確立、
  2. ②質の高い福祉サービスの拡充、
  3. ③地域での生活を総合的に支援するための地域福祉の充実、

の3点が具体的な改革の方向として打ち出されました。この改革の方向に沿い、利用者の立場に立った社会福祉制度の構築という観点から、障がい者施設における従来の措置制度を変更し、利用契約制度、支援費制度の導入を図るための法律が、平成12年5月に成立したのです。従来の措置制度では行政がサービスを決定していましたが、支援費制度が導入されることにより、利用者は、自分らしい生活を実現するための施設を選ぶことになりました。よって、「施設は、利用者一人ひとりのニーズを満たし、その人らしい生活実現に向けた質の高いサービスを提供すること。」が求められます。一方、障がい者の地域における生活を総合的に支援するために、地域福祉の充実が必要となり、障がい者を含む地域住民に対して、施設がその機能を提供し、地域における福祉サービスの拠点の一つとしての役割を果たすことも重要になってきました。

これまでの障がい種別ごとに異なる法律に基づいたサービスから、共通の制度の下で一元的なサービスを提供し、自立を支援する観点から、障がい者の地域生活や就労支援を推進する障害者自立支援法が平成18年4月に施行されました。しかし、施行時から利用者負担金のあり方や障害程度区分の認定にも課題がある等の指摘がありました。

この障がい者自立支援法は、地域社会における共生社会の実現に向けて新たな障害福祉保健施策を講ずるため、平成25年4月から、障がい者総合支援法に変わりました。また、平成24年4月から相談支援や障がい児支援が制度化される等、今後においても障がい者福祉制度が更に充実していくことを心から願っております。

最後になりましたが、当法人は、利用者の皆様のライフサイクルに合わせて、多くの生活環境を提供していくことで「豊かな環境でのびのびと」を理念として、全ての利用者の皆様が人生を謳歌できるよう最善を尽くす所存でございます。

今日まで当法人を支えてくださいました関係各位の皆様に深く感謝を申し上げますと共に、皆様方のますますのご健勝とご多幸をご祈念申し上げまして、ご挨拶といたします。

理事長 芦塚 正利